奈良県有数の名湯と評判高い「入之波温泉元湯 山鳩湯」に行っていました。
奈良といっても大台ヶ原の山麓というアプローチが大変遠いところにありバス利用なら丸一日かける必要がありますが、それだけの価値がある名湯。
木の幹をくりぬいた名物の露天風呂や、湯の花が大変きれいな赤湯は必見。桜の季節は特に綺麗です。
南朝の古跡もある歴史深い土地、入之波
路線バスは曜日限定で数もほとんどありません。登山シーズンでは満席で乗れない可能性があります。また廃止の危機にあるバス路線。いつまで続くことやら。
千本桜で有名な吉野からさらに南部の山間に踏み込んでいくと、重力式ダム「大迫ダム」が現れます。こんな奥地にあるとは思えないほどの大きなダムですが、入之波はまだまだ先。
国道から離れ、その湖畔をさらに奥へ奥へと進んでいったところにあるのが入之波集落です。もはや大台ヶ原山麓といってよい位置。
入之波は「しおのは」と読むのですが、初見では読めそうもありません。
奈良最奥地でありながら、後南朝の御座地が集落のさらに奥にあったり、幕末の天誅組のエピソードがあったりと歴史に関わりのある地でもありました。
施設の説明
歴史は古く、元々は川原沿いに湧き出してましたが、ダム建設で元の源泉は水没。新たに堀った湯を現在は使っています。
入之波集落からダム湖に向かって降りていくと崖沿いに旅館が見えてきます。
駐車場から階段を降りると本館。駐車場に停まりきれないほど来客の車が止まっているのは、桜の時期の土曜日だからでしょうか。
玄関を入ってすぐが立派な食事処。この宿は料理も評判らしく、温泉で炊いた釜飯や熊や鹿などのジビエ料理が楽しめます。名物の釜飯は出来上がるのに時間がかかるため、到着時に予約しておくとお風呂から出てすぐ食べられるのも好評価。
周辺に食べる場所はなく、バスも行き帰りに便利なのは1便しかないのでこれは助かります。
休憩所は2階下。浴室はさらに1階降りたところにあります。すべて階段なので足腰がつらい方には難しいそうですね。
浴室に行く途中では、崖から流れ落ちる赤茶けた源泉を横目に見ることができます。
入浴の感想
浴室は内湯と露天風呂。内部は撮影禁止なので、写真はなし。
<内湯>
浴室に入った途端、湯船を見ておもわずニンマリ。元は木の浴槽なのですが、あまりに温泉成分が濃いため、湯の成分が石のように体積していてなんと厚さ5cmくらい。
浴室も自然の木目を生かした風情のある作りで、移転前の浴室の雰囲気を再現したかのような古風さが感じられます。失礼ながら、建物の外観からは予想もできない良さ。
湯はオレンジ色。光の加減で湯の中の細かい湯の華がきらめきとてもきれい。硫黄泉以外でこれだけ湯の華が細かく綺麗なのはなかなかお目にかかれません。天気の良い日にきて本当によかった。
露天風呂の写真ばかりアピールされている感がある山鳩湯ですが、もっと内湯も評価されていいと思うのです。
<露天風呂>
露天風呂は内湯の脇から出たところにあります。
ダム湖の斜面にある宿なので、目の前は大きな湖。桜が縁を彩るのも春の季節ならでは。ベランダ的なスペースなので広くはないですが、必要十分。
木の根元を輪切りにしてそのままくり抜いたかのよな独特の形をした木の大きな湯船はとってもユニーク。丸いふちがいくつもあり、各人がゆったりふちを占有、さながら個人スペースといったところ。元の木はどれだけ大木だったのだろうと思いを馳せられます。
内湯からの湯を注いでいるので温度はぬるめ。いくら入っていても疲れないし、熱くもならない絶妙な温度と湯質ですね。鉄分豊富なお湯は疲れるタイプが多いのですが、ここは例外。
場所が場所だけに、帰りのバスが来るまで風呂に入っているしかないわけですが、まったく問題なし。
不便なところにも関わらず、日帰り客は多いです。県外から来る方も多いとのことで、いかに愛されているか分かろうというもの。さすが評判の湯でした、おすすめです。
温泉施設名 | しおのはおんせんもとゆ やまばとゆ 入之波温泉元湯 山鳩湯 |
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住所 | 奈良県吉野郡川上村入之波 |
TEL | 07465-4-0262 |
日帰利用時間 | 10:00-16:00 |
日帰料金 | 800円 |
定休日 | 11月~3月末まで 火曜日・水曜日 4月~10月末まで 水曜日 (祭日・連休・お盆・正月は営業) |
泉質 | ナトリウム 炭酸水素塩・塩化物泉(中性、低張性、温泉) |
公共交通機関 | 近鉄大和上市駅より入之波行きバス。下車5分。(平日・土曜のみ) |
周辺地図 | |
公式サイト | http://www.yamabatoyu.yoshino.jp |
訪問日:2017年4月