大阪港区の隠れた共同浴場、南市岡温泉をご紹介します。
NPOみなと会員だけが 入浴することができる地元専用湯でしたが、条件付で開放されたとの情報を聞き、早速行ってみました。
町工場の一角に共同浴場があるというギャップ、湯の素晴らしさ、意外性に心打たれた一湯でした。
施設の説明
元々は、田中金属工業の社員用入浴施設だったのですが、企業破綻で閉鎖の危機を迎えます。
その後、元社員の方の奮闘もあって、地ビールを自家生産するビアホール「地底旅行」に生まれ変わりました。
温泉施設については、NPO会員を募ってボランティアによる維持と利用をするという非常にユニークな運営手法です。
地元の方の話だと、バブル期に温泉付きマンションを作る予定で掘った温泉らしいですが、詳細は確認できていません。
長らく会員だけが利用できたのですが、地底旅行で食事をする際に入浴を希望することで、一般の方も利用できるようになりました。とはいえ、一切案内が書かれていないあたり、裏メニュー的ではあります。
店に並ぶ、自家製ビールの樽。
食事の後にお店の人に連れて行ってもらい、入浴受付で料金を支払い。
事前に知らなければ、受付というより守衛所ですねぇ。
料金所の脇には、源泉が流れされています。
玄関でも醸し出される共同浴場の雰囲気。
脱衣所は、実に共同浴場的です。
銭湯とも一味違った雰囲気は、地元専用として使われてきた歴史のためでもあるのでしょう。
決して古くはない温泉でありながら、ここまで共同浴場の味わいが、しかも都会の真ん中で味わえるとは!驚きを興じえません。
入浴の感想
男女で浴室は別れています。
当日男性用は、大きい元社員浴場でしたが、入れ替えする日もあるとのこと。
トイレは、元社員風呂の脱衣所からも男性トイレなら直接いけるのですが、時間によっては施錠されているので、いったん外に出る必要があります。
<内湯>
内湯は、でっかいステンレス浴槽とコンクリート浴槽の2つ。長方形の浴室のなかに並んで設置されています。
カランが窓際に並び、入口付近にはシャワーあり。
地モ専のため、洗面器は各自で持参するのが基本ですが、NPOで用意した洗面器もあるようです。
タオルやシャンプーは当然持参。
浴槽には、源泉掛け流しの湯が天井のパイプを通してこれでもかというほどざんざこ送り出されています。
ドコン、ドコンという注ぎ込む音だけでもすごい迫力。
利用者数が多くないにも関わらず、大量の湯を掛け流しとは贅沢のきわみです。
燃料費高騰の中、運営が楽ではないはずなのにと、一利用者としては心配になってしまいます。
湯は無色透明ながら、若干のとろみが見られました。
ほのかな硫黄臭と金気、アブラ臭が入り混じる複雑な香り。
細かい赤い湯ノ花も舞っています。
源泉により近いせいか、コンクリート浴槽の方が湯ノ花の量が多かったです。
湯の温度は高めなので、あっという間にのぼせてしまいます。
ぬるめの湯などありません。割り切りがありますね。
浴室に椅子などはありませんが、床はとても広いので好きなところで涼んでは風呂に入っての繰り返しです。
温泉施設名 | 大阪 南市岡田中温泉 |
---|---|
住所 | 大阪府大阪市港区南市岡3-6-26 |
TEL | 06-6581-3898 |
日帰利用時間 | 平日17:00~22:00 土日祝日 16:30~22:00 ※ 地底旅行の営業時間です |
日帰料金 | 200円 +地底旅行での食事代 |
定休日 | 水曜日 |
泉質 | 単純温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉) |
公共交通機関 | JR大阪環状線 弁天町下車。徒歩10分 |
周辺地図 | |
公式サイト | http://www.titeiryokou.com/ |
訪問日:2012年10月