津田沼「鷺沼温泉」-昭和初期建築の激渋温泉銭湯


津田沼「鷺沼温泉」に行ってきました。

昭和初期建築の現役銭湯。なんと当時の建築から大きく手を加えられることなく残された温泉遺産といってよい激渋の銭湯なのです。黒湯も効能豊かと評判です。

2020年、建物老朽化のため、建て替え中。

鷺沼温泉は、まずは見つけるところから始まる

鷺沼はかつての海岸線。今は埋め立てにより海は遠くなってしまいました。

建物だけは今の同じ場所。絵本の「ちいさなおうち」を思わず思い起こさせられますねぇ。

鷺沼温泉は、大通り沿いにあるのですが、看板がある路地を入っていったところにあります。ネオンサインもないので知らないと気づけないのではないでしょうか。

近代的な幹線道路やマンション群と木造湯屋が同居しているのは、現地で見てもひどく奇妙に見えます。だがそれがいい。

入り口からして手書き。渋すぎる。

裏手に回ると、大量の木材が置かれていました。今でも薪で温めているというわけですね。ガスより薪のほうが湯の柔らかさがあるので、これは素晴らしい。

夜の周囲は暗い。窓の明かりだけが銭湯が今も存在していることを主張しているかのよう。夜闇に溶け込んだ煙筒がちょっと幻想的です。

脱衣所

脱衣所は当然クラシックスタイル。伝統の藤蔓製の脱衣カゴも健在です。

浴室との敷居はさすがにアルミサッシに替えられていました。

浴室内部も総木製

<内風呂>

銭湯のため内風呂のみ。浴室の奥に熱々の黒湯浴槽、手前が洗い場という典型的な関東スタイルの銭湯です。

壁も屋根も木製。ペンキが塗られたレトロな光景。リニューアルしてしまうと壁面は木製でなくなってしまうことが多いですが、現状維持を続けてきただけあり木部がそのまま残されています。

浴槽の壁面には、鯉をあしらったタイル絵と富士山のペンキ絵。

古い銭湯特有のボイラーの排熱抜きの柱も男女の浴室の境に残されていました。

黒湯はかなり特徴的

黒湯は手を入れるだけで先が見えないほどの透明度の低さ。

お湯は下町ならではの激熱。長く入っていられないので短く出入りを繰り返します。

しっとりとした湯で、関東の他の黒湯銭湯と比べても印象が違います。より井戸水に近い感じであり、荒さがないのです。この滑らかさは癖になりますね。

ありふれた黒湯だと思っていたら、良い意味で裏切られました。

素晴らしい銭湯だが、建物寿命は近そう

感動の中で入浴していたのですが、各部をよく観察すると老朽化がかなり目立ちます。

特に天井は構造材ごと歪んでいるように見受けられ、寿命が刻々と近づいているのが感じられます。

各地にレトロなままの銭湯が残されていますが、大正期あたりが限界なのかちょうどそのくらいで老朽化により廃業するケースが良く見受けられます。

旧海岸線という立地の悪さにも関わらず東日本大震災にも耐えたことですし、なんとか頑張ってほしい!

公共交通機関はコミュニティバス

JR津田沼駅からは距離2.3kmほどなので歩ける距離ではありますが、ちょっと道が分かりにくいです。

コミュニティバスが出ているので利用をおすすめします。

温泉施設名 津田沼 鷺沼温泉
さぎぬまおんせん
住所 千葉県習志野市鷺沼1丁目14−15
TEL 0474-52-2523
日帰利用時間 15:00-22:30
日帰料金 430円
定休日 月曜日
泉質 泉質名なし(温泉法の規定泉に該当)
公共交通機関 ハッピーバス京成津田沼駅・海浜ルート。鷺沼一丁目バス停より徒歩2分

毎時2本。最終が20:00と早いことに注意

周辺地図 googlemap
公式サイト なし

訪問日:2017年3月

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