那須湯本を代表する共同浴場「鹿の湯」に行ってきました。
温度の違う小さな湯船が奥まで並ぶ、白木造りの湯小屋は様式美の傑作。奥側の湯船ほど熱くなり、一番熱いところで48度くらい。熱さに自信がある人はぜひ激熱湯を挑戦してほしい。ヌルめの湯とは大きく違う湯加減に驚くはず。
施設の説明
那須温泉郷の湯本温泉は、那須岳の中腹にある温泉地です。中でも共同浴場「鹿の湯」は、写真映えするのでパンフレットや旅行書にもよく出てきますね。
「湯本温泉」バス停脇から、崖を下る道を通るのが近道ですが、殺生石から車道で降りたほうが楽です。源泉は、約100m上流の川沿い。建物は谷川沿いにある総木製の伝統建築です。玄関や休憩室は川の右側。渡り廊下で川を越えた先が内湯になっています。脱衣所は鍵のかかる場所がないので、受付側のコインロッカーを使うといいでしょう。
入浴の感想
男女別の内湯のみ。脱衣所と浴室の仕切りは間仕切りだけで、戸はありません。この方式は、脱衣所が湿気るという弱点があるものの、冬でも着替えが寒くないのがありがたいですね。壁に服を密着させると濡れるのでご用心。
<内風呂>
強酸性の上、川への直接排出のため、シャンプーの類はご法度です。その代わり、浴室入り口に掛け湯の場所が設けてあります。残念ながら備え付けの洗面器がないので、地道に流すほかありません。
■温度別浴槽
温度別の内浴槽が升目状に並ぶ姿は壮観です。風呂は6つあり、奥から順に温度が下がっていきます。最高48度、最低41度といったところ。湯船に温度の札がかけてあります。
中間の温度帯の湯船は、入浴客が多いので札の温度よりも低いことが多いです。しかし、最高温度の湯船では、入ってもカラスの行水のため熱いまま。日によって違うそうですが、経験上47~8度あると思います。
ぬるい湯から順に入っていくと体がびっくりしないので良いそうです。あなたからどの温度に挑戦しますか?
■熱いが心地よい
白濁した湯は入ると肌がすべすべに。酸性がPh2.2と高いので、体には堪えますが、体の奥底から熱が溜まっていく感じがして大地の力をもらっているようです。温度が高いほど透明度が高くなるのが、面白いですね。鮮度が高いと透明になるのだとか。源泉を飲んでみると苦酸っぱい味がしました。
熱い湯とぬるめの湯で、かなり印象が違います。入り比べてみてびっくり。熱い湯だとキリッとした湯なのですが、ぬるめの湯はまろやかな雰囲気になります。
■利用マナーは守りましょう
鹿の湯は共同浴場であり、「静かに過ごす」など一般常識的なマナーが求められます。入らせていただくという態度であれば問題ないと思います。
有名観光地ながら地元の方と共同利用のため、マナー不足の外来客にぴりぴりしている雰囲気があることは否めません。置かれている洗面器は常連客の持ち物であることなど、共同浴場独特のマナーは初めての観光客ではわからないでしょうから、張り紙での案内なども必要だと思います。
これ以上観光客が増えると、地元と観光用に分離する日が来るかもしれませんが、それはそれで寂しいですよね。地元専用の共同浴場を一般開放しているといってもよい「鹿の湯」だからそこの風情なので、ぜひ残ってもらいたいものです。
火山ガス臭いが強い殺生岩の光景
殺生岩付近は、鳥や虫も倒れると言われる火山ガス高濃度地帯。その勢いは、バスに乗っていても硫化水素臭が漂うほど。火山が活動的な時は、立ち入り禁止になります。九尾の狐が石に転じ今も害をなすと言われるだけありますね。
鹿の湯から徒歩数分の場所にありますので、ついでにどうぞ。
温泉施設名 | 元湯 鹿の湯 |
---|---|
住所 | 栃木県那須郡那須町湯本51 |
TEL | 0287-76-3098 |
日帰利用時間 | 8:00~19:00 |
日帰料金 | 400円 |
定休日 | 不定期 |
泉質 | 酸性 含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 (硫化水素型) (酸性低張性高温泉) |
公共交通機関 | [バス]東野バス JR東北本線黒磯駅より、那須湯本行きまたは那須ロープウェイ行きに乗り40分、那須湯本下車、徒歩10分。 |
周辺地図 | |
公式サイト | http://www.nasuonsen.com |
訪問日:2004/2