北温泉は、那須岳に抱かれた渓谷に位置する一軒宿です。
これぞ「ひなびた宿」というべき古民家宿で、一番古い建物はなんと江戸時代です。豊富な露天・内湯も、ほかに見られない独特な造りで一見の価値あり。
冬季は雪が厚く降り積もって寒いですが、ひときわこの温泉の魅力が引き立つ時。ぜひ、訪れていただきたい時期です。管理人一押しの温泉の一つでもあります。
冬季に行く北温泉は、バス停からすでに異次元
バス停からは、20分ほど曲がりくねった道を谷底に下りていきます。最後は急坂。周囲に他の建物はなく、秘境感いっぱいです。雪が多い日だと駐車場の車が完全な雪だるま状態。スコップで掘り起こしている光景は、北海道っぽいですね。
施設の説明
日本秘湯の会会員の宿。春~秋は登山ベースとして、冬はひなびた温泉好きが集まります。
谷底の一軒宿なので、雪見の湯を堪能できる冬季がおすすめ。駐車場から歩くのと、内部に段差が多いためか、利用者は比較的若い人が多いです。
旧館は、原型の母屋の外側にさらに壁を作った2重構造になっているので、家内の通路の壁が昔の外壁という特異な作りになっています。内部はまさに迷路で、歩いていると唐突に天狗の湯に行き当たったり、床脇に湯が流れていたりと、浴槽に建物がついているのかと思わず訝るほどです。
入浴の感想
風呂の数は多く、1日では回りきれないほど。露天風呂や室内湯、打たせ湯、寝湯とバリエーションも豊富。女性専用風呂を除いて混浴です。体を洗えるのは、河原の湯と女性専用風呂のみ。
<内湯 天狗の湯>
大きな天狗の面が壁にかかる印象的な内湯。雰囲気は抜群。室内の一段高くなっているところが浴槽で、床に湯を撒き散らすわけにはいきません。とても浴室とは思えません。この違和感が大好きです。
やや体に堪える湯ではありますが、腹の底から温まるよい湯です。浴槽は湯に含まれる鉄分のせいか黒光りしていました。透明な湯は飲むと錆びた鉄の味がします。備え付けのコップも用意されています。
<内湯 相の湯>
北温泉でもっとも熱い湯をたたえた別棟の内湯。 鉄分のためか、床を赤く染まっています。きゅっと体を引き締める熱さは、この湯ならではの楽しみ。こちらで温まってから泳ぎの湯に行くのがおすすめ。冬季は、脱衣所が凍っているので、滑りやすいので注意。
<打たせ湯 不動の湯>
不動の湯は、天狗の湯から屋外に出たところにある打たせ湯です。半露天で、冬季は屋根のつららを眺めながらの入浴。湯は豪快。山の斜面から流れ落ちる源泉を樋で取り込み、そのまま打たせ湯として流しているのです。源泉に一番近い湯ですね。隣には、別棟で一人用の寝湯があります。
<露天プール 泳ぎの湯>
まさにプールクラスのサイズの露天風呂。隣は余笹川の渓流です。脱衣所はないので隣の相の湯で。広いので以外ですが、冬季でも寒くありません。冬季は、脱衣所との間の床が透明に凍りついているので、スリップ注意。
<露天風呂 河原の湯>
新館の奥にある新しい露天風呂。体を洗うならこちらで。ごく普通の作りの露天風呂ですが、変わった造りの多い北温泉では、かえって新鮮です。川の真横なので、とうとうと流れる音が響き渡ります。
温泉施設名 | 北温泉旅館 |
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住所 | 栃木県那須郡那須町湯本151 |
TEL | 0287-76-2008 |
日帰利用時間 | 8:00~16:00 |
日帰料金 | 700円 |
定休日 | 年中無休 |
泉質 | 単純温泉 |
公共交通機関 | [バス]東野バス JR東北本線黒磯駅よりバス50分 大丸温泉行き終点大丸温泉下車。折り返し黒磯駅行きに乗り、旭北温泉下車。バス停より徒歩30分。(バスはボルケーノハイウェイを周回しており、半周して少し下った位置にバス停がある。実際は大丸温泉行きに乗り、そのまま乗りつづけていればよい) |
周辺地図 | |
公式サイト | http://www9.ocn.ne.jp/~kitanoyu/ |
訪問日:2005/2