奈良田温泉は、約千三百年前、天平宝字年間の第四十六代「孝謙天皇」が奈良田に遷居したと伝えられる山間の古湯です。古典民謡・方言の里としても知られています。奈良田発電所の完成により村落の位置は変わりましたが、一部は失われたものの七不思議の湯と伝えられる湯に現在も入ることができます。
施設の紹介
日本秘湯の会の白根館を訪ねました。こちらは、食事のおいしさでも定評があります。実際に泊まりましたが、地の物で作った料理は大変味わいがありました。主人は猟師なので、冬は狩った猪などが振舞われるそうですよ。
入浴の感想
露天2(岩風呂、ひのき風呂)、内湯1。露天風呂は時間交代制です。名物の「ひのき風呂」は、日帰り利用では男性のみ利用可能です。
ひのき風呂利用時間
男性 10:00-18:00
女性 19:00-10:00
<露天風呂 ひのき風呂>
いちおしと名高いひのき風呂は浴槽の枠にひのきの丸太を使用した素朴な湯です。ランプのつるされたあずまやが落ち着いた雰囲気を演出しています。湯は、硫黄の香りのただよう完全源泉掛け流し。
季節や天候により色が変わるそうです。実際初日は青みがかった湯でしたが、翌日になると白濁した湯になっていました。日光澤温泉といい、雨になると湯が濁るという話はよく聞きますが、こちらもそうなのでしょうか?
湯の花がたくさん浮いているという話でしたが、ユアンが行った日は浮いていませんでした。谷あいの立地のため大展望とはいきませんが、山側を望めるので紅葉の季節はすばらしいでしょう。
<露天風呂 岩風呂>
岩風呂風のごく普通の作りの露天風呂です。湯の感じは違い、ひのき露天や内湯と違い塩分が濃いように感じました。湯上りはべとべと感がありましたが、乾くと自然となくなります。
<内湯>
露天と違い、こちらは完全ひのき作りの浴槽です。浴槽は、熱湯とぬる湯の2つがあります。露天は長湯するには少し熱いので、寝そべり湯をするなら内湯でしょう。なお、露天、内湯ともに立つと道路から丸見えになりますので、ご注意を。
<飲湯感想>
こちらは湯の持ち帰りサービスをしているように、飲泉を推奨しています。薄い塩味のあるまろみのある湯は、温泉としては大変飲みやすいです。内湯入り口では、飲み頃に冷えた湧き水が飲み放題。とってもおいしいので、ぜひ一度お試しを。
奈良田温泉の村落
奈良田の七不思議
3.みょうぞんの湯万病に効き、明星のように明るく元気になる
1.しょみず (塩の池) |
明治まで塩田として使われていた。 |
---|---|
2.お手洗いのぬく湯 | 帝の洗濯物をあらったことから。 ぬめりがあり、殺菌効果がある。 天皇祈願により、湧いたを伝えられる。 |
3.みょうぞんの湯 | 万病に特効があり、どんな重い病の人もこの湯に浸かると、 みょうぞん(明星)のように明るく元気になれるといわれている。 |
4.長寿の湯 | 美人の湯とも若返りの湯ともいわれる。 |
5.子宝の湯 | 万病に良いが、特に婦人病には特効がある。 |
6.おぼこの湯 | こどもの皮膚病に効く。 肌がつるつるして滑らかになる美人の湯。 |
7.くなの湯 | 苦無の湯。苦も無く疲れを取る。 |
温泉施設名 | 白根館 |
---|---|
住所 | 山梨県南巨摩郡早川町奈良田344 |
TEL | 0556-48-2711 |
日帰利用時間 | 13:00-17:00 繁忙期不可 |
日帰料金 | 1,000円 |
定休日 | 年中無休 |
泉質 | 含硫黄-ナトリウム-塩化物泉 (低張性アルカリ性高温泉) |
公共交通機関 | [バス] 早川町営バス 奈良田温泉行 JR身延駅(身延線)→終点、奈良田温泉下車 |
周辺地図 | |
公式サイト | http://www.nukuyu.com/shiranekan/ |
訪問日 2005/8
山交タウンコーチバス廃止による早川町営バス運行開始により、加筆。