中央アジアのウズベキスタン、シャフリサブス(Shahrisabz)に行ってきました。
モンゴル帝国の再興を目指したチムール帝の故郷にして都だったこともある世界遺産の町です。サマルカンドからは、朝一番で行けば日帰りで戻ってこられます。往復は、断然シェアタクシーがおすすめ。バスでは通行が許されていない2000m級の峠越えからの景色は圧巻です。
サマルカンドからシェアタクシーでシャフリサブスへ
レギスタン広場の道路を渡って スーパーマーケットの脇にあるシャフリサブス方面行きのタクシー乗り場でタクシーを捕まえます。満席になったら出発なので、なるべく埋まったタクシーを選ぶのがコツ。値段は2014年現在で、14,000SYMほどでした。
タクシーは、ごく普通のセダン車。何人かでシェアするので、シャフリサブスへは直行しないこともあります。私の時は、郊外の村に寄ってから、キタブの町に行き、別のタクシーに乗り換えました。キタブからシャフリサブスまでは最初のタクシーの料金に含まれています。
道中には、放牧中の牛やヤギが歩いています。ロバに乗った子供たちもいたりと、のどかな光景です。
途中、ドライバーさんから噛みタバコをいただいたのですが、間違って飲み込んでしまってえらいことになりました。喉が痛い!おいおい大丈夫かと、同乗の方もびっくり。噛みタバコを見たのは初めてだったんですよ・・・
山並みを背に快適なダウンヒル路。ほとんど舗装されていたのは意外でした。州境の厳重な検問を通ったら、後は平地へ。
シャフリサブス到着
シャフリサブスは全面的な工事中。チムール広場周辺2kmに渡って区画ごと取り壊していました。おかげで持っていた地図がまったく役に立ちません。見えるモニュメントまで未舗装な工事現場を突っ切るだけでいいので迷わないのですが、砂埃にはまいりました。
まずはアクサライ宮殿跡へ
チムールの宮殿跡だったというアクサライ。今は門だけが残ります。写真ではわかりにくいですが、本当に大きいです。どこまで後ろに下がっても全体の写真が撮れません。最盛期はいったいどれだけ巨大な宮殿だったのかと思うばかりです。
奥には修復した城壁がそびえたっています。Google mapで見ると分かるのですが、城壁の跡は今も街を取り囲んでいます。ただし、そちらは修復されていないので、まるで土手のようです。
ご飯を食べにバザールへ
ハイライトのアクサライ宮殿周辺は食堂もトイレもありません。飲み物はサマルカンドかキタブで調達してきたほうがいいですね。公衆トイレは、1kmほど離れたバザールの脇にボットン式がありますが、トイレの看板は出ていませんでした。
簡単なレストランはバザール周辺にいくつもあるので、食べ物には困りません。値段も全体的にサマルカンドのバザールよりも安いです。観光地なのですが、まだ擦れていないのがうれしいです。食堂では、何処から来たんだと地元の方から質問攻め。
サモサとシシケバブをいただきました。
いかにも旧ソ連といった風格のいかつい作業車。ロシア系はデザインがまったく違うので見ていて楽しいですね。
バザール周辺の遺跡群へ
街中は日差しを避けられるところが少ないので、モスクは貴重な休息の場。ほぼ全部の見どころが2km以内にあるので、巡るのは簡単。ドルッテイロヴァットやジャハーンギール廟などがおすすめです。入場料金もサマルカンドと比べるととても安い。
修復が行き届いていない建物も多いですが、サマルカンドのように綺麗にしすぎた遺跡よりも、趣はこちらのほうがあると思いますね。
チムールの墓になるはずだった霊廟
木陰が心地よいモスクの一角に、チムールの墓になるはずだった墳墓があります。
半地下の墓室には、ひときわ大きな墓石あり。これがチムールの墓になるはずだった場所。実際には希望とは異なりサマルカンドで葬られることになりました。ままならないものですね。
帰路。シェアタクシーの拠点、キタブへ
シャフリサブスからもサマルカンドへは行けるのですが、タクシー乗り場はアクサライ宮殿から真南に2.5kmと離れていますし、満席でなければ結局キタブ経由になる可能性が高いです。そこで、素直にキタブのバザールにあるシェアタクシー乗り場にミニバスで行くことにしました。
ミニバスのフロントガラスのところに、キタブ「Китоб」の紙が貼ってあるのですぐわかると思います。運行頻度も高く20分に1本は通っている感じ。乗ってから気づいたのですが、マルシェルートカと異なり定額制ではなく交渉制でした。
本日のハイライトの一つ、タフタカラチャ峠へ
帰路は、ぜひ行ってみたいと思っていたタフタカラチャ峠(Takhtakaracha Pass)を立ち寄ってサマルカンドに戻ります。
行きも通っていますが下車してなかったのです。帰りもシェアタクシーですが、5,000symほど別料金を払うことで峠で散策させてもらうことになりました。同乗の方が同意されない場合もあるので、あらかじめ峠に寄ることを条件に乗ったらよいと思います。
タクシー乗り場の前には売店やトレイがあるので、先に済ませておきましょう。
売店ではウォーターを買っていけと勧められましたが、出されたのはウオッカ。確かにウオッカは水という意味がありますが、一升瓶のような大きさのウォッカなんて飲み切れるはずありませんね。
岩稜帯を無理やり通したような峠路。当然、ヘアピンの連続。反対車線まで飛び出しながら豪快に登っていきます。
道中の景色も最高なんですが、本当に木が少ないですね。
峠からはサマルカンド方面が望めます。立地上、シャフリサブス方面は見えないのですが、登って来る途中に堪能できるので問題なし。
峠では地元の方が、ドライフルーツなどを販売していました。残念ながら、トイレや水はありません。
日の入り間際、一路サマルカンドへ
反対斜面の木の少なさとはうって変わって、灌木帯が続く谷間。未舗装路もあり、渓流を何度も橋で越えていきます。道中には湧水の汲み場もあり、多くの人が汲みに行っていました。タクシーじゃなければ、汲み入ったのに残念です。
サマルカンドに到着する寸前、日がついに沈んでいきます。タクシーの燃料計はずっとEに針がついたまま、ちょっと不安でしたが、無事サマルカンドまでたどり着くことができました。
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