クロスバイク輪行で乗鞍ヒルクライムに行ってきました。乗鞍岳を長野県側の乗鞍高原から登り、岐阜県側の平湯に下る 日本を代表する山岳縦走コースです。
車での現地入りしての体験記は見かけますが、輪行オンリーはあまり見かけませんので、注意どころなどもまとめておきたいと思います。
走行ルートは、約44km。乗鞍岳山頂の登山を含め、累計標高約1,530mです。
今回の記事は2部構成です。後編の安房峠ヒルクラムの記事はこちらです。
東京方面からは夜行列車おすすめ。松本電鉄の始発電車で新島々へ
東京方面からだと、高速バスでは輪行ができないため、JRの臨時夜行列車「ムーンライト信州」で松本へ。
ムーンライト信州は本数が少ないのが難点ですが、仕事の後に現地入りできるので気に入っています。この列車は特急車両を使っているので、自転車も中に置くことができます。長野新幹線や昼行特急で松本に入り前泊してもいいですが、連休時は宿が極端に取れなくなるのが難点です。
松本からは、松本電鉄の始発列車で、乗鞍へのバス乗り場である新島々駅へ移動です。登山シーズンでも始発は空いているので、輪行は楽ですね。
新島々から乗鞍までは路線バス
観光路線のため路線バスでも観光バス型が使われています。荷物室があるので自転車も楽に入れられます。
せっかく早く着いた新島々ですが、乗鞍行きは1時間近く待つことになります。周辺の店は開いていないので、自販機以外の買い物は不可。暖房の効いた待合室があるので、体力的には楽です。トイレも広いので着替えも簡単。
上高地行きのバスのほうが始発時間が早いので、乗鞍への分岐路の「前川渡」に途中下車して走り出す手もありますが、標高が約480m低くなるので素直に乗鞍高原行きのバスに乗ったほうが早いです。「前川渡」は、途中の危険ルートが過ぎた場所なので、乗鞍高原からでは登り足りない方は是非。
奈川渡ダムを通過
乗鞍に向かうバス車内より。梓川の巨大な重力コンクリートダム。ダムの上をバスは通り抜けます。迫力のある光景なので、自転車で行ってみたい場所です。しかし、前後が狭いトンネル連続エリアで歩道もないので、私には無理。
トンネル内。狭い上にカーブあり。トンネル内にY字分岐まである。何度通っても危なすぎて自転車で通りたいとは思えない場所です。いつの間にか車のミラーがなくなったという話もあるくらいです。
乗鞍高原、スタートポイント
乗鞍観光センター前からのスタートが定番。トイレや売店もあるいい場所ですが、シーズンは劇混みです。トイレが不要なら、終点の乗鞍スキー場前はガラガラなので、おすすめ。
三本滝レストハウス、凍結のため道路点検中・・・
まずはウォーミングアップの緩い坂登り。一般車が通行止めになるのは三本滝レストハウスに到着。この先は位ヶ原山荘まで補給地点やトイレはありません。
ここにきて、まさかの凍結による通行止め。秋後半ともなると、通行止めの確率も高くなってきます。風が強いと車はOKでも自転車不可というときもあります。連日通行止めもざらで、実際訪れた日の後はそうでした。
乗鞍エコーラインの公式サイトに、自転車を含め当日の開通見込が掲載されますが、見るころには現地入りしているのであまり役に立ちません。
道路開通まで、三本滝へ立ち寄り
幸い間もなく開通見込みとのことなので、暇つぶしに三本滝に行ってくることにしました。
乗鞍三滝の一つ、三本滝はレストハウスから片道20分程度。ここは本当におすすめ。大きな滝なのに手に触れられるぐらい近くまで寄れるのも楽しいです。運動靴なら十分。砂利道で結構傾斜があるのでビンディングでは苦しいですね。
乗鞍エコーライン ヒルクライム再開
レストハウスまで戻ってきたら、無事道路は開通してました。
さっそく再開。最初はスキー場を横断しつつ登っていきます。開通直後のため、バスやタクシーがかなりの数登っていきました。この先、一般車こそいませんが、そこそこの交通量はあります。ヘアピンが多いせいか、直前まで下ってくる車に気がつかないことも多かったです。
冷池山荘通過
閉鎖中の宿の側には、硫化水素臭のある滝。 冷鉱泉なんでしょうね。このあたりはダケカンバが中心なので、紅葉は黄色主体。ここからはヘアピンカーブが増えてきます。見た目は迫力ありますが、ヘアピンカーブは道路を緩くするためのものなので、個人的にはかえって楽だと思ってます。
中間補給地点、位ヶ原山荘通過
中間地点にある位ヶ原山荘。バイクを置くラックもありますし、補給地点としてもちょうどいい場所です。トイレもあります。このあたりともなると、同じようなペースの人と、抜きつ抜かれつ登っていくことになるので、会話が弾みます。これもツーリングの醍醐味ですね。
ひたすら続くヘアピンカーブ。山麓側を覗いてみると、限りなく下まで続いていく道路が見通せます。このルートは、スタート地点がひたすら見えるのですが、スケールが大きすぎてあまり登った気がしません。
終始極端な傾斜はないので、ゆっくり漕いでいれば登りきること自体は難しくないと思います。ただ、途中で力尽きたロードの人も見かけたので、個人差も大きいのかな?前半がハイペースだと、後半に重くのしかかってくる感じがします。
事前に心配した空気の薄さですが、感じることはできるけれど、支障があるほどではなかったです。登山で3,000m級の山はいっているので、慣れていたのもあるかもしれませんが。
乗鞍大雪渓下部。この時期はさすがに雪がありませんね。ナナカマドの赤がきれいですね。下の方はだいぶ終わっていた紅葉ですが、意外と上部では健闘しています。
高山植物の広がる、天然の庭。よく見るとかわいい実をつけたのもある。クロマメの木かな?
あと少しで畳平。3000m峰とは思えない、高原のような光景ですね。奥穂高などの主稜線が目の前に広がる絶景のスカイライン。平らに見えて結構傾斜があるのがこのエリア。空気が薄くなってきたのが体で感じられる場所でもあります。
力尽きて大休止している自転車乗りも増えてきました。こちらも正直、かなりへばってきていますが、残りわずかと思えば気も楽です。
畳平到着
ついに来た長野・岐阜県境。よくブログに載っている写真ですが、畳平よりだいぶ前にあるのですね。意外でした。風が強すぎて自転車を立てての撮影は断念。山肌で保護された風も、ここから畳平まではふきっさらし。ラストスパートが強力な逆風とは、乗鞍も味な歓迎をやってくれますね。
乗鞍岳山頂へプチ登山
ここまで来たら、山頂まで行きたいですよね。畳平から往復2時間です。
畳平周辺は自転車を置くスペースが少ないので、県境看板近くに置いて登ってきました。岩稜帯ながら、乗鞍岳は歩きやすいので運動靴でも楽勝です。すぐ隣の奥穂高とはえらい違いですね。
標高が上がるにつれて、絶景度はさらに上がっていきます。畳平からの眺めもいいですが、この風景を見ずに帰るのはもったいない!
今日はかなりの強風。山岳用雨具を持ってきて正解。寒くて10分といられません。他の人たちも風にあおられて立っていられない状態でした。
背後に見える高い峰は木曾駒ヶ岳。いつか山麓の王滝にも行ってみたいですね。
火山湖の先に見えるのは高山市街でしょうか。
畳平レストハウス前は凍結。アイススケート状態に。
凍結箇所はコーンで囲んでありましたが、透明なので近づかないと全然気づけません。乗鞍は高速ダウンヒルなので、こんなのが道路にあったらたまりません。気づいたときは遅いでしょうね・・・
乗鞍本宮でダウンヒルの無事を祈願。
乗鞍スカイラインをダウンヒル。平湯を目指します。
この絶景、堪えられません! 天空道路とは正にこのこと。広大感ではエコーライン側よりこちらに軍配が上がりますね。
途中、ミニベロにスキー板を背負った人たちに追い抜かれました。山スキーをするのに、装備一式でヒルクライムしたわけで、ちょっと信じられない体力です。強風の中、下りでスキー板がどれだけ態勢を不安定にするのかも気になるところ。
時折見える下の道ですが、同じ道路の続きとは思えない光景ですね。道が広くて舗装も綺麗なので、ハイペースで下っていけます。絶景だけに目をそらされがちですが、こんなところに立派な道路を作ってしまってよかったのだろうかと疑問を感じずにはいられなかったです。
平湯峠へ
乗鞍スカイラインの終点、平湯峠。ひたすら山を下ってきたら峠というのも解せないですが、平湯から高山に行くにはこの峠を越えるわけで、峠らしい登攀路になっています。
元幹線道路とは思えない林間の狭い道を下って平湯へ行きましょう。峠までいけばお手洗いもあります。
平湯温泉街直前の試練。危険な国道の横断あり
平湯峠から平湯直前の高速道路口付近までかけて横断歩道がありません。徒歩利用はいないことが前提になっているようで、飛ばす車が多い中、横断しなければいけません。微妙にカーブしていて対向車が見えないのもうれしくないです。平湯に近くなるほど車が多くなるので、できるだけ平湯峠からの合流直後で横断するか、平湯大滝まで進んでからの横断をおすすめします。
田舎では、まま見られる光景ですが、道路の反対側に平湯大滝という観光地があるのに横断歩道がないとは意外でした。
平湯温泉で一風呂浴びて旅館へGO
平湯温泉は遅くまで営業している日帰り温泉が多いです。一押しは、アカンダナ駐車場方面へ登ったところにある「神の湯」。林道風の急坂を登ったところにある野趣あふれた露天風呂です。途中の道は、今回登ったルートで一番傾斜がきついかもしれませんが、距離は短めです。
今回の記事は2部構成です。後編の安房峠ヒルクラムの記事はこちらです。
スカイラインとエコーラインが逆ですよ
ご指摘感謝です。早速記事を直しました。
ずっと素で間違えて覚えていました。