天草下島 西海岸周遊2泊3日サイクリングに行ってきました。
天草諸島の中でも最西部に位置する下島。本渡から鬼池まで、特に景色のよい崎津・大江天主堂などに立ち寄りながら、雲仙普賢岳のある島原半島へフェリーで抜けていきます。
天草+雲仙+阿蘇山という走行距離300kmツーリングの一環。クロスバイクなので速度は出ませんが、そのかわり気に入った集落を立ち寄るぶらり旅としました。
今回は、天草・島原ロングライド1日目です。島原半島ライドの記事はこちらをどうぞ。
熊本交通センターより、高速バスあまくさ号で本渡へ
朝一番の天草下島行きバスにのり、本渡バスターミナルを目指します。熊本交通センター内にはコンビニもあるので、補給にももってこいです。
天草五橋を通過
交通量の多い五橋はサイクリング向きではないと聞いていましたが、バスから見ると橋自体には歩道が完備されているので、通行は可能な様子。天草諸島だけをめぐるのなら、三角半島から縦断するのも楽しそうですね。
本渡到着
天草下島最大の集落、本渡に到着。牛深まではほとんど店がないので、飲食料はこの街にいるうちに購入しておきます。
堂々たる石橋、本渡祇園橋
西部に出発する前に寄り道。総石造橋の祇園橋。天草四郎率いる天草の乱では、この橋で討伐軍と相対したとのこと。
車でも通れそうなほど立派な幅。往時の通行量が忍ばれます。天草にはこの他にも古い石橋が残っているそうです。
ユニークな本渡人道橋
本渡大橋は車専用のため、人やバイクのために作られた人道橋。なんと船が来ると橋げた全体が上がります。小舟来るたびに上がるので、結構上がるのを見る機会が多いかも。
ようやく西部へ出発、まずは牛深を目指します
潮が引くと広がる干潟。外洋に近い島にも関わらず、干潟のある湾が多いです。
水田も沢山あります。大きな川がほとんどないことを考えると、水を集めるのも苦労するはず。
中田集落を通過、小規模な集落が点在する海岸道
フェリー乗り場のある中田集落ですが、集落の規模自体は小さなもの。
津々浦々という言葉がぴったり。山道を越えるたびに漁村が現れます。
千畳敷という名前が付きそうな海岸。
周回道路もこのあたりまで来ると、県道とは思えないほど狭隘な道路が続きます。最初は2車線あったとは思えません。
おいしそうなミカンが実る畑。
牛深集落に到着、昼食は地魚の盛り合わせ
南部最大の集落、牛深。新鮮な魚介類でも定評があるので、さっそく地元の魚屋さん「魚政」で地魚をいただきに行ってきました。
天草下島 牛深「魚正 魚屋さんのお値打ち絶品料理」の記事へ移動
お値段もお手頃で種類も豊富。複数人でいけば、名物のウツボの刺身も食べられますよ。
お店の場所は、フェリー乗り場から100mほど。港の突端をすすんだ場所にあります。
本日泊まる魚貫埼まではお店がほとんどないので、夕食と明日の朝食を買い込んでおきます。スーパーでは、大半の魚介類が牛深産。これ、漁港地でもなかなかお目にかかれない地場産率です。
再出発するとすぐにお目にかかるのが港の先端の大規模なループ橋「牛深ハイヤ大橋」。この橋は歩道を走ったほうが景色がきれいです。
橋の途中には、なんと別の島に行く分岐路が。橋の上から眺められるので、違う島という気がしません。
雷を去り、雨上がりの路傍。
恐ろしいほどの青い海。海底の岩が真っ白なのも理由にありそうです。
本日の宿泊地、魚貫埼へ
海岸風景はもはや外洋の雰囲気。この先、中国大陸まで陸地がありません。
林業はいまだ死なず。魚貫崎までは海岸沿いと思い込んでいましたが、実際は山深い道が続きます。最後がプチクライムなのは体に堪えますねぇ。
魚貫崎集落
写真で見える範囲で集落全部という小さな村。周囲から隔絶した地区ですが、集落の端には郵便局や自動販売機があります。
魚貫崎海岸はこのあたりでは珍しい砂浜。日の出前の散歩も楽しいですよ。
天草レストハウス結乃里で宿泊
旧天草市の魚貫崎レストハウス。今は民営のゲストハウスとして運営されています。魚貫崎自体は携帯可能エリアなのですが、湾の際にあるせいか携帯は通じません。追加料金がかかりますが、お風呂にも入れます。
首にかわいい鞄を付けたねこさん。
魚貫崎は天草下島最大の湖の脇にあります。元々湾だったところが、打ち上げられた土砂で自然の堤が築かれ湖になったという不思議なところ。
朝一番の港は鏡のような美しさ。
船着き場は、 朝霧でけぶる。滝のように水面の上を流れる霧が美しい。
透明度が高く、どこまでも見通せる海。
魚貫集落
魚貫と魚貫埼はまったく別の集落。魚貫集落は漁船も数が多いです。
牛深より河浦へ
本当は、魚貫埼からそのまま北上すればよかったのですが、道を間違えて牛深に逆戻り。山越えの国道で羊角湾を目指します。道の立派さはさすが国道。いままでは林道並みだったので、よけいに有難く感じるのかも。
峠までの道筋には中世の城跡あり。石垣も一部残存するなど本格的な山城です。
羊角湾に到着
峠を越えると、目の前には新たなる湾が広がる。本当に飽きないコースですね。湾を海岸沿いに通っていくので、進みたびに景色が移り変わっていきます。
崎津天主堂
崎津集落の天主堂。昭和初期の様子が色濃いデザインです。地元の方によると、キリシタンと結婚する人はキリスト教に入信するしきたりが近年まであったとのこと。
神社から見た集落。元々の教会は鳥居の脇の民家。まるで社務所にように神社隣に存在しているのが、日本らしいですね。
郷土のお菓子「杉ようかん」。アンコを包んだ牛皮に、塩漬けした松の枝を防腐用に添えたもの。
地元の方にお茶を飲みながら伺ったところ、元々は家庭で食べられていた料理でしたが、しばし伝統は断絶。集落の名物として、店で売り出したとのことです。松の枝は、近年手に入らなくなってきているそうで、1年分漬け込んで保管しているそうです。このお菓子の起源、なんと集落に打ち寄せられ琉球の船の人たちから教わったものなのだそうです。
このあたりの景色は、道中でも最高な場所の一つ。
高台に登り、大江天主堂へ
天主堂の近くにあったお店にあったくまモン。漁業用の浮きの再利用ですが、一つ一つ表情が違ってかわいらしいです。
大江の集落はかなり高い場所にあり、景色は抜群。木造教会の雰囲気はどこかスペインの村の教会を思わせます。
天主堂から国道への復帰は、国道バイパスに並行して走るサンセットライン(要するに旧道)沿いにすすんで、国道に合流するのが距離・標高いずれでも近道。
十三仏岬は、一押しのビュースポット
延々まっすぐ続く峠越えの道を進んでいきます。十三仏は周回道路からちょっと寄り道になりますが、ぜひ行ってみてほしいビュースポット。北に続く海岸線、南に見えるは白い砂浜。
妙見浦通過中
このあたりも海岸まで出ると魅力的な風景がありそうですが、道路からは山道を降りないと到達できません。
とても熱い下田温泉
歴史ある温泉地、下田温泉に立ち寄り。観光温泉センター兼共同浴場の白鷺館は、クアハウスと共同浴場に分かれて入るという独特な作り。共同浴場は湯も良くて格安なので、ちょい寄りにはもってこいです。お湯が熱いので、入浴後すぐに走り始めると大汗をかいてしまうかもしれませんね。
陶石海岸
このあたりは陶器を作る原材料になる陶石が海岸いっぱいに転がっています。道路沿いにも陶石鉱山がいくつもあり、産出量は日本一なのだとか。
おっぱい岩
引き潮の時のみ眺められる、おっぱいの形をした岩。周回道路から立ち寄れます。普賢岳から海を越えて飛んできたという火山弾がその正体。周辺を見渡すと同じような岩がゴロゴロ。はるか先に望める山から飛んでるとは火山の力は想像を絶するものがありますね。
鬼池港フェリー乗り場
長い下島の旅もついに終わり。フェリー乗り場に到着。自転車料金が安いので、分解せずに載せてしまうのが楽。
一路、島原半島の口之津港へ
距離が近いので30分かからずに島原半島まで横断できます。
口之津港から本日宿泊の長浜温泉へ
長浜温泉までは、アップダウンを繰り返してひたすら進みます。和津佐からの海岸道路は、これでもかと洞門が続く道。街灯皆無なので、とてもじゃないが夜は走りたくありませんね。
長浜温泉到着
無事長浜に到着。温泉で汗を流して、ちゃんぽんでも食べに行きますか。
今回は、天草・島原ロングライド1日目です。島原半島ライドの記事はこちらをどうぞ。