テントツーリングで行く伊豆大島 (島内一周、裏砂漠、三原山ヒルクライム)

伊豆諸島の大島にテントツーリングに行ってきました。

東京から手軽に行けて、1日でほぼ周遊できる手ごろな広さ。海あり山ありとバリエーション豊かと、自転車ツーリング向きな場所であります。今回は、1泊2日で時計周りで島内一周。途中、三原山の裏砂漠、三原山ドライブウェイのヒルクライムと欲張ったルート取りにしてみました。

途中の宿泊地は海の風景が素敵なトウシキキャンプ場。クロスバイクとテント装備で、総装備量は約25kgになりました。走行距離は99km。獲得標高は2,270mほど。

 浜松町駅前駐輪場にて

大島を土日で回るとなると、金曜日発の夜行船に乗る必要があります。事前に浜松町駅前ビルの地下駐輪場に自転車を置いておいて、出発直前に回収することにします。会社員の方でも安心ですね。

東海汽船で、竹芝桟橋より大島へ出航

八丈島行きのかめりあ丸が先に出航。大島行きのさるびあ丸は後ろで乗船待ちになっています。このクラスの船が並んでいるのは絵になりますね。大型船は乗員に余裕があるので、連休でも乗ることはできるのがうれしいところ。直前の天気で旅を決められます。

乗船はボーディングブリッジから。乗船したら、自転車は外側の通路にヒモで固定します。壁にフックがいくつもあるので、固定するのは簡単。

出航を知らせる鐘の音ともに桟橋を離れる船。レインボーブリッジ下を通過したりと、ナイトクルーズとしても楽しめるのがこの航路の良さ。

夜も荷受作業の続く大井桟橋。大島到着は早朝なので、あまり見ていると寝る時間がなくなりますね。

伊豆大島岡田港に到着

まだ真っ暗な港ですが、照明が明るいので自転車の組み立ては苦になりません。広すぎるほどスペースもありますしね。岡田港では、早朝すぎて店が開いていないので、飲み物を除き買い物は一切できません。

しばしのさよなら、さるびあ丸。

東岸ルートをプチクライム

東岸ルートは、300m近く標高があるプチクライムルート。集落がほとんどないので、水分補給できるところは限られています。 ヘアピンを登っていくと、道路際に罠にかかったキョンを発見。小鹿に似ていますね。外来種なのですが、元は大島動物園から逃げたのが始まり。勝手に連れてきて駆除というもの気の毒な話。

途中であった畑への切通し階段。両側の木の浸食がすごい。

小集落の椿林を通り過ぎると、ヘアピンカーブが続く本格的な山岳道路になっていきます。

時折見える大海原や三原山の砂漠風景を楽しみながら、ゆるゆる登っていきます。テントがなければ楽なのでしょうが、自分の自転車じゃないみたいに進みません。

月と砂漠ラインへ

月と砂漠ラインの分岐に到着。また同じところに戻ってくるので荷物をデポしていくのも一つの手かも。

コンクリート舗装の急坂が続きます。林道クラスの路面状況。坂続きだったため勾配はよくわからなくなっていますが、周回道路よりよっぽどきついです。しばし単調な道行き。

ついに未舗装路へ

月と砂漠ライン終点の駐車場から、未舗装登山道へ。良くしまった砂礫のため走りやすいです。

下界を眺める裏砂漠に到着

森林地帯が途絶えると、唐突に裏砂漠の砂礫帯に到着。真下にみえる平らな部分までダウンヒルを試みますが、まずは展望台まで稜線沿いに移動します。登山道以外はタイヤが沈み込んでろくに走行できません。ああ、道の存在がありがたい。クロスバイクな上、スリックタイヤなので無理は禁物。

奥の山から稜線沿いの進んできました。段々道が悪くなり、走行はできるが歩いたほうがはるかに楽という本末転倒なコースに。YouTubeではこの斜面を直滑降する動画が掲載されていますが、とてもではないが走行は無理目。危険なほどスピードが出そうです。火山灰地では簡単にブレーキがロックするので、止まりたくても止まれない状況に容易になってしまいます。

登山道はなんとかダウンヒル可能。体重の位置取りがとても大切。ほんのわずかでも重心がずれると、左右に車体が暴れて走行不能になります。雪上走行と感覚はとても似ていますね。下りきると、砂煙をあげながら適当な場所で停車。

徒歩で三原山山頂へ

分岐路の看板近くに自転車を置いて、三原山山頂に向かうことにしました。

全般的に裏砂漠は目印に乏しいので、ガスが発生すると自転車の回収が困難になります。できるだけ人工物の目印の側に置いておいたほうがいいです。緊急車両も通るので、通路はふさがないように気を付けて。

どうも山頂まで車でいけるらしく、登山道にしかみえない道幅なのにたまに走ってきます。自転車でも行けそうですが、山頂部は自転車禁止とのこと。

火口直上で大休止。風が通りやすく涼しいです。

昭和溶岩流そばの分岐路で自転車を置いて大島温泉へ。

外輪山の大島温泉へ寄り道

昭和溶岩流を越えれば平らなダート道になるので、溶岩流だけ担ぎ越えれば走ることができます。椿の森林を越えて外輪山に登ったところがホテル。写真は露天風呂にて。天気がよければ最高の景色のひと時を味わえます。 写真の正面の頂が三原山。

伊豆大島 三原山温泉「大島温泉ホテル」の記事へ移動

テキサスルートを下山

昭和溶岩流まで戻ってからは、ダート走行を再開。周回道路に戻る道は何本かあるのですが、メジャーなテキサスルートを選びました。下山路までには、メインルートのほかに何本かテクニカルなコースが平行しています。なかには激しいアップダウンを飛び越えるような場所も。メインルートだけなら、スピードを落とせば安全に走行できます。

振動が激しいためスピード感がありますが、実際は30km/h程度しか出ていません。スリップ上等なルートなので、スピード出しすぎ注意。地味に起伏があるのでバランスを崩しそうになりますよ。

 筆島

月の砂漠ライン入口から波浮港まではダウンヒルコース。

途中、筆島を眺めてみます。道路改修で周回道路から外れてしまったので、あえて通らないと見られない場所になっています。

火口から上がった溶岩だけが残ったのが筆島だそうですが、実際目にしてもここが噴火口とは気づけません。海水浴場でもあるのですが、水深はどうなっているのでしょうか?

波浮港

噴火口がそのまま港になった波浮港。噴火口の縁を削って港にしたという豪快な由来あり。このあたりが大島最南端です。

港では、海洋学校の生徒さんたちが、ボート訓練をしていました。

波浮トウシキキャンプ場

本日宿泊のキャンプ場です。シャワー、トイレ、調理場ありと無料とは思えないほどの豪華設備。 敷地も広くてテント立て放題です。すぐそばはトウシキの断崖。朝夕楽しめる絶景キャンプ場です。難を言えば、近くに買い出しできる店が少ないことか。品ぞろえは少ないですが、波浮港展望台そばのお店で軽食レベルの買い物は可能です。

波浮集落へ

波浮港にある「港鮨」に寄って、地場産の寿司をいただくことにします。この辺りはひなびた雰囲気がよくて、街歩きも楽しいですよ。

地魚の刺身の盛り合わせ。エビの椀物もおいしそうで、どれを頼むかうれしい悩み。

夜の港をのんびり走りながら、テント場へ。

西岸ルート(波浮~岡田)

日が上がって、2日目。テントを収納して西岸ルートへ。東部と異なり集落が多いため、全体的に道が立派です。

高台を通るのですが、茂みで風景が隠されないので、信じられないほど美しい大海原が真横に広がります。点在する伊豆諸島の島々を数えながら、飛ぶように進む自転車。途中公衆ルートはトレイも店も頻繁にあるので、補給不足に悩まずに済みます。特に公衆トイレは集落ごとにあると言わんばかりの林立状態。

元町港へ

幾度ものアップダウンを越えて、元町港へ到着。テント装備など、ヒルクライムに不要なものを港待合室のコインロッカーに放り込みます。

三原山ドライブウェイをヒルクライム

昨日も登った気がしますが、三原山へ県道207号をヒルクライム。あまり展望の効かない森林コースです。途中砂取りの現場があるためか、ダンプカー頻繁に通りかかります。稜線まで上がれば、放牧場の中の快適な走りに。

元町では快晴だったのに、こちらは土砂降り。島の天気は変わりやすいですね。下を見ると、なんと晴れ間になっています。本当に山頂部だけ降っているんですね。

御神火茶屋でひと休憩ののち、御神火スカイラインを下山。傾斜がきつくてほとんど路面余地のないところなど、ずいぶん無理な道です。路面はゴツゴツですが、ハイスピードでわずか15分で下山。

このわずか2週間後には土砂崩れで閉鎖になってしまうのですから、分からないものです。この道が遠因との噂もあり再開されるのかも、定かでありません。

再び、元町港へ。本日の出帆港を確認。

帰りは元町出航ならいいなという淡い期待は脆くもアウト。

当日に船が着く港が決まるのが伊豆諸島の特徴。就航は岡田港のほうが多いので、これが通常通りではあります。町内放送でも流されるのですが、今回のようにすぐ集落から離れてしまうと聞く機会がありません。

反時計回りのコースの方は、確認ができないまま岡田港に到着する可能性が高いので、気を付けてください。Softbankだとエリアマップでは東岸も使えるように表示されていましたが、実際には圏外でした。

元町で島寿司を堪能。ちょっと刺身が薄い気がします。量が物足りませんね。食事の後は元町温泉に立ち寄り。船に乗る前に汗は流しておきたいものです。港のすぐそばなのですが、露天風呂がないので眺望はありません。午後になると隣の露天風呂が開店するのですが、船の乗船時間に間に合わなくなるので断念です。

伊豆大島 元町温泉 「愛らんどセンター御神火の湯」への記事へ移動

遊歩道沿いに岡田港を目指します

周回道路を離れて岸部の遊歩道を北上。岡田港を目指します。

 

溶岩を豪快に割った切通しもあります。

遊歩道の終点は、野田浜。こちらも昔の噴火口の一つだったところ。しばし海岸を離れ、丘陵越えで岡田港へ到着。岡田港への道は鬱蒼とした林の中を延々登るつらい道。大した傾斜ではないのですが、あと少しで終わりだという気持ちがあるので、よけいにきつく感じるのですよね。

岡田港に到着

ジェット船の出航を見送り、さるびあ丸に乗船。

一路、東京を目指すさるびあ丸

さらば、大島よ。

ジェット船と違い、乗船中もデッキをプラプラできるので飽きなくていいですね。行きかう船を眺めたり、次々に近づいてくる岬がどこの場所なのか探してみたり。

東京 竹芝桟橋に到着

竹芝桟橋に無事到着。後は帰るだけです。

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