小正月の名物、神奈川県大磯の「左義長」を見に行ってきました。
小正月直近の日曜日開催なので、参加しやすいですね。「左義長」とは、要するにどんと焼きのことなのですが、湘南海岸にある大磯の左義長は一味違います。海岸に建てた竹やわらで編んだ円すい形のかがり火「斎灯(さいと)」に、日没後に火を放つというもの。周囲はほとんど照明がないので、海岸を点々と灯す斎灯は大変映える光景です。
開催場所は、大磯漁港のすぐ東にある「北浜海岸」です。夏は海水浴場になる海岸なので、有料駐車場やトイレには困りません。駅から歩くことができる距離なのも良し。
火を灯す前は、道祖神廻りがおすすめ
18:00から火を灯すのですが、その前に左義長が捧げられる町内7か所の「道祖神」を巡るのもまた楽しいです。石碑だけの道祖神の地域が多い中、ちゃんと木製の社に安置されている姿は、地元の郷土愛を感じますね。道祖神の場所は、大磯町観光協会にPDFの地図が置いてあります。
ついに斎灯に点火
盛んに燃え上がった斎灯。高さ10メートル前後あるので、中々の迫力。全部で9つあります。上を向けば星明り、正面は潮騒と、実に贅沢な景色。いやあ、晴れてよかった。写真だと雰囲気が伝わりにくいのが残念。
すぐ背後には有料道路の「西湘バイパス」があります。通行の車から見たらびっくりするのでしょうね。
火の粉の舞う斎灯。何の木で作ったかで燃え方や火の粉も違うようで、見比べてみるのも楽しいですね。燃えている木材が、廃材ではなく雑木林の間伐材なのが、山を背負うこの地域らしいです。ダルマは、地域によって火に入れない所があるそうですが、大磯では入れています。
冬にも関わらず、周囲はかなりの熱さ。そばまで寄ることができません。遠巻きに集まる人々。
どんと焼きといったら団子ですね?
どんと焼きの餅を竹棒や木枝の先につけて、皆で火にくべています。中には団子にアルミホイルを巻いている人も。餅が崩れやすいので落とさない工夫なんでしょう。食べごろになったら、棒は火の中に。竹のはぜる音が、また風物詩という気持ちを高めてくれます。
男衆は海へ、掛け声とともに綱を引く
冬の海に浸かったふんどし一丁の男たち。海に入った木のソリに乗った男衆を、陸側から綱で引っぱっていきます。威勢の良い掛け声ともに進み、最後は海岸から退出。
来訪は、電車がおすすめ
車で来た方限定の話ですが、皆さん一斉に帰るので有料駐車場の出口が渋滞行列に。駐車場の敷地が大きい割に出口が一か所しかないので、出るまで30分くらいかかります。駅まで大した距離ではないので、電車利用がおすすめです。