中欧チェコの首都プラハの自転車事情をお送りします。
百塔の町、中世がそのまま残る古都と名高いプラハ。史跡保護のため、中心部分は交通機関が少なく、歩くとかなりの距離がある場所でもあります。自転車なら距離は無問題。建物の博物館といわれるほど、長い歴史の中で建てられた魅力あふれる街並みを回るだけも大満足。自転車で巡る時の注意点もご紹介します。
地図は必携、迷いに迷う旧市街
中世都市と言えば曲がりくねった街路という図式は、プラハにも当てはまります。記憶力に挑戦をしかけてくる複雑な道を巡るのも、また一興。一方通行の場所も多く、うっかり逆走しかけることもしばしば。
通行可能な時間帯が決まっている道(時間になると門が閉まる!)や、建物をくぐるアーケードなど、個性的な通りも多いです。道に規則性がないうえ街並みが似ているので、自分がどこにいるのかさっぱり分からなくなります。スマホのGPSでも苦しいところ。
おまけに行先案内板もあまり設置されていません。
通行時間制限のある道の例。時間になると門が閉まります。
主要観光地の案内板。お隣のハンガリーだと距離も書かれているのですが、こちらは地名のみ。
自転車の良いところは、車で入りにくい場所に行けること。市場で買い物も簡単。
レンタル自転車店もあります
レンタル自転車店は市庁舎広場の外周近くにもあり、時間借りができます。自分がいった店は、クロスバイク中心の品ぞろえでした。
写真は、店前の謎自転車。サドルからみて7人乗り。ペダルも人数分ついています。操作性は想像もできませんね!
石畳は、体験の価値あり(笑)
ヨーロッパといえば、石畳。写真では平らに感じるかもしれませんが、ゆがんでデコボコだらけ。走っている時の振動はかなりのもの。正直、固いダートのほうがましなレベルです。怖いのは下りで、摩耗した石は容易にスリップします。ハンドルも左右に取られやすいです。突き上げるような振動から言って、かなり固い石なんじゃないかと思いますね。
道は狭いぞ、トラムにご用心!
市街地はトラム(路面電車)が縦横無尽に走っています。道が狭いので、後ろから迫られると脇によける余地がないことも多いです。特にカレル橋周辺は狭いですね。最初からそんな道を避けるか、前方の渋滞を見越してやり過ごすと楽になれます。
自転車通行路の説明看板。路肩通行禁止とは、日本と違いますね。自転車通路は、トラムの線路のど真ん中。高頻度で後ろからトラムが来るわけですが、これでは実質スポーツ自転車専用ですね。
旧市街の一番狭いところでこのくらい。車一台でやっとです。 律儀に歩道がありますが、ないところももちろんあります。
大通りの風景。トラムの停車場があるので、道路を横断するには段差を何回も越える必要があります。
チェコの歩行者信号機は赤になるまでの時間がやたら短いのが特徴。歩きだと横断が終わるまでに赤になります。ひどい場所だと5秒ほど。
プラハ城側は、ヒルクライマー垂涎の急斜面
プラハ城自体が山なので当然の立地ですね。ヒルクライムが好きな人にはむしろご褒美。頂上まで登れば市街を一望できる絶景が広がります。下りは危ないのでまったくスピードが出せません。階段?潔く担ぎましょう。
謎の道路標識。車は左を通ること、子供飛び出し注意という意味の模様。この場所はT字路なのですが、階段の縁が邪魔しているので、突然歩行者が現れたように見えるので、注意の看板を立てているのでしょう。
自転車には不向きな街だが、走破力は補ってあまりある
旅行書に紹介されているような場所を巡る分には、正直向いていないのは残念なところ。なぜかというと、プラハ城内や市庁舎広場周辺は車両進入禁止ですし、周辺には止めるようなところがほとんどないから。そのためか、旧市街中心部では地元の自転車乗りはあまり見かけませんし、車の速度に負けずに走ることが条件みたいな道ですからね。
たまに走っているのも気合の入ったスポーツタイプのみ。 プラハ全体が丘陵地帯ということもあってか、住宅地でもあまり自転車は見かけません。
逆に向いているのが周囲の散策。歩きだとつい行く場所も限られてしまいがちですが、短い時間でもガンガン回れますから、思いがけないお気に入りポイントに出会えるかも。世界街歩きが好きな人にもおすすめです。