中欧のハンガリーの首都ブダペストの自転車事情を、自転車乗りの視点からご紹介します。
ブダペストは、旧市街を横断して流れるドナウ川で、ブダ地区とペシュト地区の2つに分かれているのですが、風光明媚な光景は、さすが「ドナウの真珠」と歌われるだけはあります。
王宮の丘やゲッレールトの丘があるブダ地区をのぞけば平坦。落ち着いた建物が密集した商業地ペシュト地区も、路上駐車が多いもののヨーロッパにしては道路は広めです。首都でありながら人口密度少な目なところもいいですね。近年、自転車利用者が増えているそうで、2013年夏から市営のレンタル自転車サービスも始まります。
自転車専用道の充実度は、素晴らしい
日本の自転車道のような、歩行者・自転車共通の道ではなく、専用レーンが用意されています。自転車専用の信号機まである充実ぶり。すれ違うには狭すぎるものの、往来2本のラインが引かれているのは大したものです。
注意すべきは、自転車のマークとラインで歩行者の通路と分けているものの、元は一本の歩道を分割していること。
歩行者レーンを頻繁に横切ります。S字に横切ることもしばしば。自転車同士のすれ違いでは、レーンを盛大にはみ出しています。(そうでないとぶつかるので)あまり減速しない自転車を始終見かけますが、歩行者の立場から見るとこれは怖い。 ベルも鳴らさないので、突然横に自転車がサッとあらわれる感じです。
徒歩と自転車共通にまとめてもよさそうですが、わざわざ自転車用の案内板が用意されています。もより地名とメートル表記です。
さて、走っている自転車の種類は
平日の観察では、旧市街はロード・クロスバイクの比率がとても高いのが印象的。河岸は走りやすいので特に多いですね。 GiantやMERIDAなどの有名メーカーが多いですが、軽快車は名前からハンガリーメーカーが多そうな様子。軽快車といえどもクロスのようなデザイン。フロントサスペンション装備車が多いのは、石畳の多い当地事情を踏まえてのことでしょう。 下手な未舗装路よりも走りにくいですからね。
ドナウ川を渡るセーチェニ鎖橋を通過中の自転車集団。スピード出さずにのんびり走るにはいい場所です。
トラムと並んで走る自転車。絵になる光景ですが、トラムが追い付いてくる場面では、きついんですよ。
自転車の後ろに荷車をつけた自転車も多く見かけます。車両扱いが違うのか、後部にナンバープレート付。車体が長すぎて、カーブが大変そうです。写真は、郊外列車の駅から地上に移動中の、荷車自転車。
輪行不要な交通事情がうらやましい
ラッシュ時を除き、メトロ・鉄道ともに分解せずに自転車を持ち込めます。
バスやトラムは通路が通れなくなるのでさすがに無理。路上に駐車が許されているお国柄なので、市街地はほぼ歩道を通ることになります。車道を走る箇所もありますが、石畳とトラムの線路で走りにくいです。 人口の少ないお国ゆえ、道は全体的に空いていますし、車も飛ばしていません。
ブダペスト東駅構内に直接自転車で乗り込みの図。そのまま乗るつもりでしょうね。
ハンガリー国鉄(MÁV Start)では、自転車を乗せられる車両に自転車のピクトグラムが書かれています。
駐輪スペースは建物の壁
専用の駐輪スペースはほとんど用意されていないです。短時間停める程度なら場所は困らなさそうです。
旧市街は路上スペースがほとんどないので、建物1Fの外壁窓の鉄格子にロックしている自転車が多いようです。家や宿だと、中庭や内階段の欄干にロックします。ワイヤーロックは使われず、U字型の太い金属製のロックを使っていました。駅前でも路駐の自転車はほとんど見かけませんし、駐輪場も見当たりません。
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