ヒーローサイクルズやATLAS cyclesなど、自転車産業を抱えるインド。自転車乗りとしては、現地の自転車事情は気になるところ。
旅行途中で、バラナシやデリーで走っている自転車や、自転車販売店をのぞいてみました。日本とはまったく異なる交通事情を走るインドの自転車乗りはどうしているのでしょうか。
感覚が問われる道路事情
旧市街の道路は、先進国のような安全策は取られておらず、その代わり通行者の判断に任されている様子です。道路は舗装こそしていますが、大きな交差点でも信号はないし、横断歩道のペイントもありません。数センチの僅かな隙間をすり抜け、サイクルリクシャーやオートリクシャーが車線変更する。この道を乗りこなすのは非常に骨が折れます。
また、インド特有の状況として、明らかに車をふさぐ位置に牛とイヌは寝そべっており、まったく避けようとしません。牛は目立つとして、低い位置を見ないと気づくことができないイヌは難物です。
意外や自転車率は高い
旧市街中心に見ていましたが、自転車の数自体が多く、バイクより普及していそうなのが印象的。同じアジアの中国やベトナムがバイクだらけなのとは異なるのはなぜなのか?
この辺りに理由がありそう。
・本体が安い
・ガソリンがいらない
・車の通ることのできない旧市街を走れる
・子供も乗ることができる
自転車販売店
自転車販売店の数はとても多いです。1地区に1つはある様子。修理もその場でできます。修理の様子を見てると、基本工具を頼りに人力でごり押ししている様子。2人がかりで力いっぱい車輪を外そうとしている姿を見ると、苦労がしのばれます。泥だらけなので固着しやすい事情もあるでしょう。
流行の自転車
未舗装や石畳も多いインドの町では、耐久性一点張りの自転車ながら、スポーツタイプが流行の様子。この傾向は、ジャイプールやアグラでもそうでした。
スポーツタイプのデザインは、マウンテンバイクが主体。装備は、ブルボーンバーありが多数。当地の道路事情を反映してみなブロックタイヤ。変速機構がないのは悪路を考えるとむしろメリット。ただし、バーの有効性は謎。果たして意味があるのか?自転車には、もちろん灯火なし。夜間視力は必須ですね。
ママチャリの耐久性強化版といった実用車もたくさん走っています。フレームパイプはより太く、サドル(座面)のバネは不自然なほど大きく立派なものがついています。
また、体に合った自転車を使っているのには関心。カンボジアでは、小学生低学年の子供が大人用に乗っているのは、ごく普通に見受けられましたが、インドでは見かけません。
写真は、ママチャリ強化版
この記事は、2012年2月時点の情報です。