イスタンブールにある公共浴場、「チェンベルリタシュ・ハマム」に行ってきました。
オスマン・トルコ帝国時代の名建築家ミマール・スィナーンの手によって建設されたそうです。スチームサウナの銭湯なのですが、内部は大理石のドームに精巧な彫刻の洗い場など、目を見張る設備です。
オスマン・トルコ帝国時代から入浴文化を大切にしてきたトルコでは、帝国領の各地に公共浴場を建ててきました。富裕者の寄進で単独で建設されたり、モスクの付属として建てられたりと始まりは様々。中でもおすすめなのが、数百年の歴史を持つ伝統的ハマムなのです。イスタンブール市内にはそういった古いハマムがいくつもあるのですが、観光客が一番行きやすいのがこちらだと思います。
名の知られた寄進者も多く、この人のハマムに行ってみたいとか目的を作ってめぐってみるのも面白いかも。個人的には、イスラム海賊の赤ひげバルバロス・ハイレディン(Hayreddin Barbarossa)が寄進したというハマムに行ってみたかったのですが、場所が分かりませんでした。
チェンベルリタシュ・ハマム(Çemberlitaş Hamamı)
観光客が一番行きやすい伝統的ハマムは、チェンベルリタシュ広場にある「チェンベルリタシュ・ハマム」だと思います。アヤソフィアなどがある観光拠点のスルタンアフメットからトラムで1駅。歩いても10分程度です。創設はなんと1584年。当時の建物が今も使われています。
建設したのはオスマントルコの代表的な名建築家ミマール・スィナンです。他のハマムもそうらしいですが、入り口はとても小さい。場所を知らないと、うっかり通りすぎてしまいます。
入口で入浴コースを選びます。トルコリラかユーロでお支払い。観光客が多いだけに、英語のコース表もあります。英語ももちろん通じます。アカスリ込みTraditional styleだと59トルコリラ(2010年現在、1トルコリラ=約60円)しますが、入浴のみのSelf-serviceだと39トルコリラです。トルコの物価を考えると相当な高価なんですよね。
腰巻のレンタルが付いてきます。伝統的な柄だそうで、ごわごわした肌触り。トルコでは素肌を出すことは、恥ずかしいことと考えられています。風呂内でも腰巻をつけて、素っ裸にはなりません。
いざ風呂へ!
洗い場と蒸し風呂の2部屋に分かれています。重い木戸を通って入ります。入り口にある部屋では体を洗い、奥の部屋の蒸し風呂に入ります。設備がそれぞれ日本とかなり違うので用途が分からずドギマギ。頭を洗う水盤は彫刻で華麗に彩られていて、カランだとすぐに気づけませんでいた。
写真は蒸し風呂。中央にあるのは、体を横たえる大理石の台座。10人くらい楽々いられるほど大きいです。台座は、床下から熱々に暖められいます。人が少ない朝方だと長くいるのがキツイくらいです。ドームの天井は星型の飾り穴がいっぱい。上を向いているとプラネタリウムのようです。
周囲の小部屋は洗い場。しかし、この洗い場が熱い。芸術作品のような素晴らしい造作なので利用したいところですが、長居は禁物。素直に外の洗い場がおすすめです。
アカスリも楽しめます
三助さんによる力いっぱいのアカスリも楽しめます。
入口でアカスリ手袋の箱をもらい、浴室に。後で手袋は回収されます。マッサージは痛いという話はよく耳にしますが、私の場合はそれほどでもありませんでした。体全体が包まれるぐらいの石鹸のもこもこした泡も楽しいですね。右向け、左向け、やれマッサージとえらいテキパキ。丁々発止でこのリズムが癖になりそう。三助さんから浴室でチップをお願いされますが、お金持って入っていないよ!後で渡してあげます。
入浴後は休憩室でまったり
2階建ての休憩室は木造です。部屋こそ狭いですが石造りよりも暖かな感じがあるのが嬉しいです。暖房がほかほか効いているので、睡魔に襲われること間違いなし。ベットのある個室で、リラックス。飲み物も買うことが出来ます。照明は暗いので、読書はできず。残念。
このCemberlitas Hamamiの写真はトリップアドバイザーから無料提供されています
ハマム外観
ハマムの外観はどっしりとした石造。隣はマーケット。蒸気風呂のドームがあるはずですが、広場からは見えません。
ハマムの名前の由来は、ローマ時代の記念塔
ローマ帝国時代、コンスタンティヌス1世が、コンスタンティノープルに首都を遷都したことを記念し建てた塔。イスタンブール最古のモニュメントで、当初は57mもあったが、火災や腐食による破損のため、今は34mの高さを残すのみ。ハマムのあるチェンベルリタシュ広場にあります。
同じくチェンベルリタシュ広場にあるモスク
昼間はハトでいっぱい。夜のライトアップも厳かなものがあります。
チェンベルリタシュ・ハマム基本情報
公式サイト http://www.cemberlitashamami.com.tr/(英語)
営業時間 6:00~23:00
交通機関 トラムヴァイT1のチェンベルリタシュ駅下車。徒歩0分。
T1は、ゼイティンブルヌ(Zeytinburnu)~カバタシュ(Kabataş)までの路線。
途中、スルタンアフメットやエミノニュを通る。
スルタンアフメットからは、徒歩10分。
周囲は夜でも人通りの多い大通りなので、比較的安全。
あまり遅いと、周囲の店が全部閉まってしまい通りが暗くなります。
21:00くらいまでなら店が開いているので、それまでに出られるようにするのがよいかも。