花巻温泉郷を代表する老舗温泉旅館「鉛温泉」に行ってきました。
旅行雑誌でもよく登場する独特な浴室の猿樂の湯は、足元湧出な源泉かけ流し。
日帰りも可能で、源泉の異なる4つ浴場を堪能できます。
施設の説明
堂々たる日本家屋の温泉旅館。
いぶし銀のたたずまいは、ひなびた温泉と呼ぶにまさに相応しいです。
玄関は三階建て。和式だったころの名残がある受付も渋くて素晴らしい。
現在こそ机が置かれていますが、昔は長机で正座で対応していたのではないでしょうか。
内部は旅館部と湯治部でわかれています。
綺麗に現代改装された旅館に比べ、古色蒼然とした雰囲気を残す湯治部、この対比もよろしいものです。
旅館全体で4つの源泉を使っています。
それぞれ浴室が分かれているので、着替えて移動する必要があります。
白猿の湯
鉛温泉を代表する湯。
男女で入浴できる時間が分けられています。
浴室の扉を開くといきなり大穴のような巨大な空間がお目見え。
この時点でワクワクが止まりません。
入口から階段を降りると脱衣場と浴室。地下1Fくらいの高低差があります。
入口から見ても、下から見ても素敵な空間。上部は木を贅沢に使った湯小屋構造になっており、下は曇りガラスの嵌った窓が取り囲み、地下は石造りという3層構造になっています。
浴室の周囲が一周する回廊になっているので独立した建物に見え、湯舟から見上げると劇場の中央から見上げたような趣があります。
脱衣場は、浴室の一角に衝立で隠した場所があるだけという東北の共同浴場ではよくあるスタイル。脱衣場と浴室で当然温度が同じなわけで、寒い時期には都合が良いのでしょう。
湯舟は浴室の中央。
立ち湯必須なほど深い湯は足元湧出。岩をくりぬいた湯舟になっています。
天然ものなので、床は平らではなく微妙な段差あり。
10人入っても余裕なほどの広さ。
縁の部分は一段浅くなっているので、座りながらの入浴も可能です。
湯につかるというよりは、湯と一体になるといったほうがよい印象です。
それほど湯の存在を感じさせません。
岩底のあちらこちらから泡が浮いてきており、背中を伝っていったりと独特の気持ちよさがあります。
1泊したのですが、時間によって湧出力が異なっており、多い時には湯が噴出してくる圧力を感じるほどです。
おかげで独特な浮遊感があり、これがまたたまりません。
おひとり用の小さい湯舟もあり、そちらのほうが温度は少し低めです。
湯の印象は、重みのある湯質で近隣の大沢温泉ともよく似ています。
湯はやや笹濁りで、ほぼ無臭。
旅館内の他の浴室とは一線を画する湯の良さはさすが名湯。
力強い湯なので、数分で疲れるかと思ったらそうでもありません。
温度もやや高めではあるものの、すぐに茹るほどでもなし。
いくらでも入っていられて、出たくなくなる心地よさです。
似た泉質である大沢温泉と湯の良さで比較したら、より上と見ました。
桂の湯
猿樂の湯とは源泉が異なる浴場。設備も新しいです。
無色透明で軽い印象な湯質。湯の温度は42度くらいと普通。
猿樂の湯は長く入るとさすがに湯疲れしてくるので、口直しの湯として良いのでは?
源泉の印象の違いとしては、猿樂の湯以外は非常によく似ています。
湯の鮮度は良いですが、あまり印象に残らない印象です。
これ単独だけでも名湯だと思いますが、猿樂の湯があまりに印象的すぎるのです。
白糸の湯
白猿の湯とは源泉が異なる浴場。設備も新しいです。
川側に大窓があるため半露天の様な開放的さがあり、目の前を流れる川の対岸にある滝を眺めながら入浴できます。
無色透明で軽い印象な湯質。湯の温度は42度くらいと普通。
湯の鮮度は良いですが、あまり印象に残らない印象です。
銀の湯
猿樂の湯とは源泉が異なる浴場。設備も新しいです。
無色透明で軽い印象な湯質。湯の温度は42度くらいと普通。
湯の鮮度は良いですが、あまり印象に残らない印象です。
温泉施設名 | 鉛温泉 藤三旅館 |
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住所 | 岩手県花巻市鉛字中平75-1 |
TEL | 0198-25-2311 |
日帰利用時間 | 7:00~21:00 |
日帰料金 | 700円 |
定休日 | 年中無休 |
泉質 | 単純温泉 アルカリ性単純高温泉 |
公共交通機関 |
JR花巻駅より新鉛温泉行バス。鉛温泉下車3分 宿泊者の場合は、JR新花巻駅とJR花巻駅から花巻温泉郷の共同無料送迎バスがあります。 |
周辺地図 | |
公式サイト | 藤三旅館公式ページ |
訪問日:2021年4月