コラム4 飲泉のススメ 入門編 民間療法としての温泉

温泉を飲んでみようコーナー。第1回は、入門編ということで、飲泉とはなにかをご紹介します。一口に温泉を飲むといっても、様々。温泉地での新鮮な湯汲みからミネラルウォーターまで。意外なところで打っているものです。

飲泉とはなに?

新鮮な温泉水を飲むことを飲泉といい、古くから健康法として使われてきました。ヨーロッパでは飲泉が普及していて、ミネラルウォーターで知られるフランスのエビアン(AVIAN)やビシーなど各地に飲泉施設があります。飲泉専用のしゃれたコップなんかもありますね。

日本では、ヨーロッパと比較すると入浴に比重が置かれていますが、民間医療等の経験則により体に効くことが知られていたため、全国各地で古くから飲泉所が設けられていますが、医療の場では、温泉病院等の温泉療法指導医のもと行われているそうです。

温泉が飲めるかどうか知るには

全国統一の飲泉可能マークは、聞いたことがありませんので、それ以外の簡単な見分け方をお話します。

一番簡単なのは、飲泉可能の掲示を探すことです。たいていの飲泉可能の施設には、飲泉可能の案内が張り紙などで出ています。
地元の共同浴場などでは、飲めるのに案内がいっさいないこともあります。地元の人に聞くのが一番ですが、コップの有無である程度判断できます。飲泉専用の汲み場がどこにでもあるわけではありませんが、いかにも飲んでますというように注ぎ口の横に置いてあれば飲める可能性高いです。(右上の写真がいい例)

施設によっては、実際には飲める泉質でも飲泉の調査をしていないため飲泉不可になっているところも確かにありますが、試さないほうが無難です。飲めない理由としては、含む重金属、含む硫黄、強塩性、強酸性等があります。もちろん循環利用も理由のひとつですね。私は飲めるわけもない塩原新湯の強酸性硫黄泉を冒険してしまい、喉が焼けて飲みすぎたときの胸焼けみたいになってしまったことがあります。ありゃあ苦しかった。(自業自得)

注意事項

飲泉は温泉をじかに体に取り込む行為ですから、湯が新鮮であることが条件です。また、飲みすぎるのは逆効果です。定められた量を超えて飲むのはやめましょう。禁忌症がありますから、自分の体にあった湯を選択する必要があります。

飲み場いろいろ

浴室にコップがあるもの、専用の飲泉場が設けられているもの、各地さまざまです。旅館は食事を出す関係上、飲泉は自己責任というところが多いです。(保健所の指導だそうです)

■浴室の飲泉場

浴室にさりげなく置かれたコップ。飲泉可能な温泉地でよく見かける光景です。

「奥鬼怒 日光澤温泉」

さあ飲んでとばかり浴槽のそばに置いてあるコップ。これは飲まずにはいられない。

■水飲み場スタイル

屋内・外にしつらえられた飲泉場。誰でも自由に飲めます。水質変化で飲用不可になった場所もあるので、注意。(その場合はたいてい注意書きがあります)


飲泉施設
「熱海温泉 延命の湯」

 ロシア共和国のカムチャッカ半島では、砒素の石灰華の割れ目から流れ出る温泉があるそうです。
名づけて、重金属泉!?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。