ウィーンの楽友協会の「古楽器の調べ-小演奏会(Nun Klingen sie wieder)」に参加してきました。
楽友協会と言えば、ニューイヤーコンサートの開催地として有名。名門音楽堂だけに演奏会のチケットを取るのも難しいことで知られていますが、穴場の小イベントも開催しています。正装でなくても気軽に参加できるし、演奏者との距離が近いのもうれしいものです。値段も予約のしやすさも楽なのが、この小イベントの良さでもあります。
まずはチケットの受け取り
現地では、楽友協会のことを、ムジークフェライン(musikverein)と呼んでいます。
ネット予約ができる楽友協会ですがが、当日までに楽友協会にチケットを受け取りに行く必要があります。チケットオフィスの営業時間を確認して行ってください。私は散歩ついでに前日に取りに行きました。このあたりネット予約表の印刷で替えてもらえると旅行者が参加しやすくなるので、改善してほしいところですね。
1階がロビー、2階が音楽堂、地下が間食コーナーとトイレです。写真は玄関ホールです。
Nun Klingen sie wieder(古楽器の調べ-小演奏会)
音響効果の良さで知られる小音楽堂で音楽を聞きたい、というのも今回の旅の目的の一つ。
小音楽堂「ブラームス・ザール」での開催です。全一時間ほどの小イベントですが、演奏後に演奏者との歓談があります。この歓談時間から自由退出となりますが、この歓談こそこのイベントの楽しさの一つなので、ぜひ参加してみてください。
最初にオットー・ビーバ博士による、本日使用される楽器の説明や聞きどころが15分ほど解説(ドイツ語のみ)され、その後演奏に入っていきます。今回は4つの楽器を演奏するようですね。
観客方は身ぎれいにしておられますが、正装の方はほとんどおりません。比較的にカジュアルでも参加できる雰囲気です。
期待の演奏ですが、室内向けの民族音楽でした。これは本当に素晴らしいです!自分の周囲全体を柔らかく包み込むように奏でる音色が響き渡り、とろけるような時間が過ぎていきます。こればかりは体験してみないと分からない部分なので、行く機会があれば訪れてみてください。
歓談の様子
最後にお楽しみの歓談。終了時間が決まっているのかは定かではありませんが、イベントで公表されているスケジュール時間を一時間超過しても続いておりました。
担当した楽器を説明をする演奏者マックス・エンゲル氏。楽器はシュトライヒツィター(Streichzither)。
オルフィカ(Orphica)は、ハープシコードのような造作。
ツィター(Zither)。見ての通り、卓上サイズで厚みのない楽器ですが、音量は十分。小音楽堂全体に響き渡るほどの力を発揮します。これで音の破綻もないのですから、本当に驚きです。演奏者は、コルネリア・マイヤー女史でした。
リクエストに応えてオルフィカを演奏している、パウル・アンゲラー氏。
観客の方も趣味で楽器を演奏している方がいるようで、悩みどころを演奏者に尋ねてアドバイスをもらっているシーンもありました。
大音楽堂「グローサー・ザール」
せっかくなので、大音楽堂も見てみましょう。
こちらがニューイヤーコンサートの舞台。さすがに豪華絢爛で大きな作り。当日は、こちらでも演奏会が行われていました。観客の皆さんはタキシードとドレスの正装の方々ばかり。
正面がコンサートボックス。パイプオルガンが存在感ありますね。
座席側。天井絵にも注目です。
楽友協会公式サイト(英語、予約可能)
ネットで当日の空き状況や予約・カード支払いまで可能です。