中欧オーストリアの首都ウィーンの自転車事情をご紹介します。
自転車先進国の一つだけに、市内は自転車走行レーンも確保され、鉄道もそのまま乗り込める便利さ。平坦な土地柄なので、かなりの距離を楽々回ることができます。市民の足としてママチャリも多く、ロードバイクやクロスバイクで走る人たちも多いです。
ウィーンの誇るレンタルバイクCity Bike
登録料1ユーロで、1時間以内なら無料。以降1時間ごとに1ユーロの課金。乗り場の端末で登録したクレジットカードを挿して、使いたい自転車の番号を入力すれば貸出完了。返す時は、ラックに止めるだけ。当日乗り場でもカードの登録はできますが、けっこう手間なので、事前にWEBサイトで登録しておくことをおすすめします。1日用Bikeカードもあるそうですが、事前に宿などで購入しておく必要があります。
スマートフォンのCityBikeアプリを入れておくと、リアルタイムに自転車の貸出状況を確認したり、最寄りの自転車置き場が分かります。観光客が集中する場所だと、借りることはできても、ラックに空きがなくて置けないことがあるので注意。
CityBike公式サイト
レンタル品は、一見同じ自転車ですが、仕様はバラバラ。3段変速もあれば変速なしも。ブレーキもVブレーキだったり、カンチだったり。もちろん部品メーカーもバラバラ。整備性の効率の欠片もないですねぇ。シマノの内装3段変速が一番いい自転車かな?見た目通り、とても重いです。
特徴的なのは、ペダルブレーキ式だということ。これは不便な代物で、ペダルを後ろに動かすとブレーキが効くのですが、ちょっとした段差や坂を越えようとして、ブレーキを意図せずにかけてしまうこともしばしば。つんのめりそうになるし、足には負担がかかります。
郊外列車はそのまま自転車を積み込める
Sバーンなどの郊外列車はそのまま自転車を持ち込めます。持ち込みできる車両には、自転車マークあり。トラム(路面列車)は車体が小さいので持ち込み不可です。
主要道路沿いには自転車走行レーンが完備
ウィーンリンクの周回やドナウ運河沿いなどは、自転車走行レーンが用意されています。リンク内以外は石畳ではないのでスピードも出せますから、あえて大回りしたほうが早く目的地につけることも多いです。
自転車専用信号機。基本的に歩行者と変わるタイミングは一緒。 渡った直後にレーンの向きが変わることが多いので、道を見失わないように注意。緑地帯で歩行者と分かれてる場所などは、地元の方はかなりスピードを出しています。
横断歩道にも、専用レーンが用意されています。 道路に並行したレーンの場合、路駐で歩道か車道を通らなければならないこともしばしばです。
アウガルデン前の自転車走行レーン。基本的に自転車道は歩道の上。この場所は広いですが、ウィーンリンク周辺だと明らかにすれ違いの幅が足りない場所も。歩道側にはみでるときは、歩行者に注意。S字状にスラロームになっている場所も多いですし、段差もたくさんありますから、基本的にスピードの出せる道ではありません。時々、レーンが途切れる場所もあります。
ウィーンリンク内の自転車の天敵は、馬車!
石畳の街中は、振動も激しくスピードが出ません。そこに追いついてくるのが馬車。パッカラと音が聞こえてくると冷や汗もの。お馬さんはこんな道なのに速いですね。馬車に出会う頻度はリンク内だととても高いので、あらかじめ避けられそうな場所に移動するか、道自体変えてしまうのがよいかと。振り切るには歩行者が多すぎますからね。旧市街循環バスも、音もなく近寄ってくるので侮れません。
平坦な市内は、自転車散策が最適
路上マーケット。当地ではマルクトと呼ばれています。ワイン店もあってその場でグラスに注いでくれます。ちょっとグラスを傾けたいところですが、自転車なので我慢。自転車1台くらいなら停められる場所はいくらでもあります。露店で買い物も楽しみの一つ。駐輪チェーン1本持っていると便利です。自転車用ラックが用意されているところは広場くらいしかないですが、ちょっとした柵に止めるといいです。
教会前で。思いがけない風景に出会えるもの、散策の楽しみの一つ。