黄山は中国安徽省にある世界遺産です。
古来、「黄山を見ずして山を見たというなかれ」と謳われたほどの絶景。
（奇岩峰・雲海・黄山松・温泉の四つの見所を「四絶」と言うそうです）
北京オリンピックの頃に大規模な改修があったため、今や近代的な設備を誇る観光地になりました。
その中でも穴場の、西海大渓谷をご紹介します。
「西海大渓谷」は、黄山でも屈指の景観を誇る
ここは本当におすすめ。まだまだ穴場的存在なのか、日本ではほとんど情報がないです。
ツアー客は訪れないので、人もまばら。高低差５００ｍ、１周 １２Kmあるので、山頂で１泊しないと行くことができないと思いますが、時間の都合が取れるようならぜひ。途中まで行くだけでも景色が一変するので、時間がない人も少し 踏み込んでみることをお勧めします。
大渓谷に来ている人の装備や雰囲気がほかの黄山の観光名所とは全然違うのが、日本の上高地みたい。
山慣れした人も多そうで、こちらの登山靴に興味を持って話しかけてくれる人もいました。
おすすめルート
西海大渓谷は、ツアーでよく利用される西海飯店のある「西海」と、光明頂の南西にある「天海」の間の谷を上り下りするルート。
入口が分かりやすい西海側からがおすすめ。
下山せずに一日で西海大渓谷と蓮花峰や天都峰を走破したい人は、下山時刻になると人で埋め尽くされるほど蓮花峰方面が混むので、先に蓮花峰を登っておくことをおすすめします。（私は後で行って断念した口です。13：00にはゲキ混みでした。）
＜西海側から行く＞
ツアーで訪れることが多い「排雲亭」を過ぎて、道なりにまっすぐ。太平ケーブルカーへの分岐をすぎたすぐ先が入り口。西海渓谷の看板もあります。
泊まる宿が西海や北海周辺ならおすすめ。
＜天海側から行く＞
天海飯店の脇を通ってひたすら道なり２Kmくらいで入口。
一般客がたむろしてるルートから完全に外れるので、地図がないと先に入口があることは分かりにくい。
西海大渓谷に入ってしまえば１本道。看板がいたるところにあるので、どこまで歩いたかも分かりやすい。
日本の山と違って、全行程階段となだらかな一 枚岩の上なので、とても歩きやすい。垂直の断崖に桟橋を作っただけの場所あり、トンネルありと、日本ではありえないような道が続きます。
ルート上の設備は、水洗式トイレ２箇所。軽食堂１箇所。（こんな場所によく作った！）
手すりの造形にやたら力が入っているのが印象的。水道管にいたるまで、曲がりくねった枝のような作りで見事な自然への溶け込みぶり。
自然の造形美と道を切り開いた根性に感服。
道中は急な階段。アップダウンが続く感じではなく、V字に降りたら登るだけ。一番低いところには、他の村に行く分岐路があります。
断崖を添うように続く桟道。手すりがあるのであまり怖くありません。
岩の上に一本松。水墨画のような光景ですね。
途中には隧道もあります。短いので懐中電灯は必要なし。
